「歌が上手くなりたいけど、どう練習すればいいかわからない…」「カラオケで自信を持って歌いたい!」
そんな悩みを抱えている方に、まず試してほしいのが“リップロール”という発声練習です。
リップロールとは、唇を震わせながら声を出す簡単なトレーニングで、歌やボイトレ初心者でも自宅で手軽に取り組めます。
実は、プロのシンガーやボイストレーナーもこの練習を取り入れており、発声の安定や音程のコントロールに大きな効果があるとされています。
この記事では、リップロールの効果や正しいやり方、よくある失敗の対処法まで、初心者にもわかりやすく解説していきます。
発声を安定させて、もっと気持ちよく歌えるようになりましょう!
1. リップロールって何?
リップロールとは、唇を軽く閉じた状態で「ブルルル…」と震わせながら声を出す発声練習のことです。
まるで馬の鳴き声のような音が出ますが、これはれっきとしたボイストレーニングの一つ。
唇の振動に声を乗せることで、喉に力を入れすぎずに発声できるのが特徴です。
カラオケ上達を目指す初心者にも効果的で、家で手軽にできるトレーニングとして人気があります。
なぜリップロールが効果的なのか?
リップロールが支持される理由は、以下のようなメリットがあるからです。
1. 喉の緊張をほぐせる
無理に大きな声を出す必要がなく、自然な息の流れで声を出せるため、喉に負担がかかりません。
2. 息のコントロールが身につく
リップロールを維持するには、安定した息の流れが必要です。つまり、自然と腹式呼吸の感覚が身につきます。
3. 声帯の動きを整えられる
声帯がバランスよく閉じたり開いたりすることで、音程や声の伸びも安定しやすくなります。
ボイトレ初心者でも安心して始められる理由
他のボイストレーニングと比べて、リップロールは「身体感覚」がつかみやすいのが特長です。
- 音程を外しても気にならない
- 声が出しにくい日でも軽く取り組める
- 準備運動としても活用できる
これらの特長から、ボイトレ初心者だけでなく、プロの歌手や声優も日々の練習に取り入れています。
リップロールはどこでやればいい?家での練習が基本
リップロールは声量を抑えてできるため、家でも気軽に取り組めます。
特に、カラオケ前のウォーミングアップとして行うと、声の立ち上がりがスムーズになります。
騒音が気になる場合は、お風呂場や車内など、密閉された空間で行うのもおすすめです。
2. リップロールが上手くできない理由は?
リップロールはシンプルに見えますが、実際にやってみると「うまく唇が震えない」「すぐに止まってしまう」といった悩みがよく出てきます。
ここでは、初心者が陥りやすい問題点と、その原因について詳しく解説します。
1. 唇がブルブル震えない
最も多いのが、「そもそも唇が振動しない」というケースです。
この場合、以下の原因が考えられます。
- 唇に力が入りすぎている
唇をギュッと閉じてしまうと、空気がうまく抜けず振動しません。 - 息の量が足りない/強すぎる
息が弱すぎても強すぎても、唇は安定して震えません。
ちょうどよい「細く長い息」が必要です。 - 口の周りの筋肉が硬い
表情筋がこわばっていると、唇がうまく開閉できません。
軽く顔をマッサージしてから行うのがおすすめです。
2. 途中で止まってしまう
「最初はできるけど、すぐに止まってしまう」という声も多くあります。
- 息が不安定になっている
リップロールを続けるには、一定の呼気圧をキープする必要があります。
呼吸の基礎ができていないと、途中でガタガタと止まりがちです。 - 口の形が崩れている
リラックスしすぎて口が開いてしまったり、頬が緊張して動いてしまうと、振動が途切れます。 - 声を乗せすぎている
リップロールは“軽く声を乗せる”のがポイント。
最初から強く発声しようとすると、声に引っ張られて振動が止まりやすくなります。
リップロールができない人に共通する“ある思い込み”
多くの初心者が「うまくできない=自分には才能がない」と感じてしまいます。
しかし、それは大きな誤解です。
リップロールがうまくいかない原因の多くは、「正しいフォームと息の使い方を知らない」だけ。
つまり、技術の問題であり、センスや才能ではありません。
私も、最初はまったくできませんでした。
しかし、毎日数分ずつ練習を重ね、腹式呼吸や顔まわりのリラックスを意識することで、1週間ほどで安定してリップロールができるようになりました。
できない時こそ「やり方を変える」チャンス
リップロールが続かない、うまくできないと感じたときは、以下のポイントを一度見直してみてください:
- 息の出し方(強すぎる/弱すぎる)
- 唇の力み(リラックスできているか)
- 姿勢と口の形(猫背や口の開きすぎに注意)
- 表情筋の柔らかさ(軽くストレッチを入れる)
次章では、こうした問題を一つひとつ解決する具体的な練習メニューを、ステップ形式で紹介していきます。
3. リップロールの練習方法
ステップ0:まずは準備運動!口まわりをほぐそう
リップロールの前に、口の周辺や表情筋をほぐしておくと、唇が震えやすくなります。
おすすめのウォームアップメニュー
- 口角上げストレッチ
口を「イーッ」と左右に引っ張り、10秒キープ。3回繰り返す。 - 頬マッサージ
指の腹で頬骨のあたりをくるくるとマッサージ。片側30秒ずつ。 - 唇プルプル運動
声を出さず、唇だけ「プルプル」震わせる練習を数回行う。
POINT:この準備で、唇が柔らかくなり、振動しやすくなります。
ステップ1:息だけでリップロールに挑戦(無声音)
まずは声を出さず、息だけでリップロールをしてみましょう。
これは「無声音リップロール」と呼ばれ、初心者が最初にやるべきステップです。
やり方
- 唇を軽く閉じる(力を入れないこと)
- 鼻から吸って、口から息を「スーーーッ」と出す
- 息に乗せて、唇を「ブルルル…」と震わせる
コツ
- 息の強さは「ろうそくの火を吹き消す直前」くらいのやや強め
- 姿勢は背筋をまっすぐ、首・肩の力を抜く
- 音が出ないなら、頬に軽く指を当てて支えるのもOK
POINT:この段階で「ブルル…」ができるようになれば、声を乗せる準備は万全!
ステップ2:軽く声を乗せてみる(有声音)
無声音リップロールが安定してきたら、今度は声を少しだけ乗せてみます。
これが「有声音リップロール」です。
やり方
- ステップ1と同じく唇を閉じて息を出す
- 今度はその息に「ア〜」のような声を軽く乗せてみる
- 唇が震えながら、声が出ていれば成功!
注意点
- 声は「小さく・優しく」出すのがコツ。無理に大きな声を出さない
- 喉や舌に力を入れすぎない
- 途中で止まっても焦らず、息を整えて再チャレンジ
POINT:「音を出す」というより「息に音を乗せる」感覚をつかもう
ステップ3:音程トレーニングに応用しよう(1音上げ下げ)
有声音リップロールに慣れてきたら、今度は音程を動かしながら行ってみましょう。
これは音程の安定やピッチ感覚の向上にとても効果的です。
やり方
- 「ド〜レ〜ド〜」といったように、1音ずつ上げ下げする音をイメージ
- 声を乗せながらリップロールで「ブルル〜ブルル〜ブルル〜」と出してみる
- 鍵盤アプリやカラオケ音源を使って音程を合わせると効果アップ!
おすすめパターン
- ド〜レ〜ド(上行下降)
- ド〜レ〜ミ〜ファ〜ミ〜レ〜ド(5音スケール)
- ド〜ファ〜ド(跳躍音程)
POINT:音程がぶれても気にしすぎず、唇の振動が続いていればOK!
ステップ4:スケール練習で滑らかな発声を目指す
カラオケでスムーズなメロディを歌うためには、滑らかに音をつなぐ力=レガート発声が重要です。
リップロールをスケール練習に応用することで、この「つなぎ」の感覚が自然と身につきます。
やり方
- 鍵盤アプリやピアノで「ドレミファソファミレド」の音を鳴らす
- その音に合わせて、リップロールで音をつなぐように「ブルルルルルルルル」と出す
- 上昇系、下降系、上下を繰り返す練習を1セット5分程度行う
コツ
- 息が切れないよう、ブレス(呼吸)を意識的に入れる
- 息の流れを止めず、滑らかに音がつながるように意識する
POINT:歌う前にこの練習を取り入れるだけで、滑らかさと音程の精度が一気にアップ!
ステップ5:実践編!カラオケ前のウォーミングアップに使おう
リップロールは、実際の歌唱前のウォーミングアップにも最適です。
特にカラオケに行く前、自宅や車内で数分行うだけで、声の出しやすさがまるで変わります。
おすすめメニュー(5分)
- 無声音リップロール(1分)
- 有声音でド〜レ〜ド練習(2分)
- スケール練習(ドレミファソファミレド、2分)
効果
- 喉がほぐれ、声の立ち上がりがスムーズに
- 音程の安定感が増し、自信を持って歌える
- 緊張緩和にも効果あり
POINT:「今日は声が出ないかも…」という不安も、リップロールで和らぎます。
4. リップロールに関するよくある質問
リップロールは一見シンプルなトレーニングですが、実際にやってみるといろいろな疑問やつまずきが出てくるものです。
ここでは、初心者の方からよく寄せられる質問に、Q&A形式でお答えします。
まとめ – リップロールで効果的に練習しよう
「歌がうまくなりたい」「カラオケで堂々と歌いたい」
――そんな願いを持つ多くの人が、最初につまずくのが“安定した発声”です。
そして、その悩みを解決するシンプルかつ効果的な方法こそが、今回ご紹介したリップロールです。
リップロールは、プロのボーカリストや声優も取り入れている定番トレーニングで、
初心者にとっても「息の使い方」「喉の力みの軽減」「音程の安定」をバランスよく養える万能メニュー。
しかも、自宅で・短時間で・道具なしでできるのが大きな魅力です。
とはいえ、最初は「唇が震えない」「音が止まる」などうまくいかないこともあるでしょう。
でもそれは、あなただけではありません。
誰もが最初はつまずきます。
大事なのは、できない理由を知り、正しい方法で少しずつ慣れていくことです。
本記事で紹介したステップをもとに、今日から毎日3分でもリップロールに取り組んでみてください。
きっと数週間後には、「あれ、声が出しやすくなったかも」「音が安定してきた!」と実感できるはずです。
リップロールは、自宅でできるボイトレとして非常に優れた練習法です。
基礎力を整えたい初心者には特におすすめできるトレーニングですが、「もっと本格的に歌が上達したい」「自己流で合っているのか不安…」と感じるタイミングも、きっと訪れるはずです。
そんなときは、ボイストレーナーによる指導を受けることも検討してみてください。
この記事が、あなたの歌の悩みを解決する第一歩になれば幸いです。
ぜひ今日から、リップロールでの練習を始めてみましょう!